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チル&レッド|夏の赤ワインの新しい楽しみ方

チル&レッド|夏の赤ワインの新しい楽しみ方

2026.09.18
コラム

夏になると白ワインやロゼワインを選ぶ機会が増えます。しかし実は、赤ワインも少し冷やすだけで、暑い季節にもぴったりの心地よい一杯になります。
暑い日に、赤ワインだからと常温で飲むのではなく、「今日は赤も冷やしてみよう」。そんな気軽な楽しみ方をご紹介します。

瀧本 辰作
このコラムを書いたのは、
【プロフィール】 瀧本 辰作
メルシャン株式会社
マーケティング部 欧州事務所

1. なぜ赤ワインを冷やして飲むのか

なぜ赤ワインを冷やして飲むのか なぜ赤ワインを冷やして飲むのか

「チル&レッド」は、リラックスして楽しむことを意味する「チル」と、赤ワインを少し冷やして味わうスタイルを組み合わせて表現した言葉です。
赤ワインは一般的に、冷やすことで酸や渋み、タンニンが引き締まって感じられます。
寒い季節には少し硬い印象になることもありますが、暑い夏にはそれがむしろ魅力になります。

暑い日に温度の上がった赤ワインを飲むと、アルコールの香りが立ちすぎることがありますが、少し冷やしておくことで和らぎ、果実味や繊細な香りをより自然に楽しむことができます。
冷蔵庫から出した直後は引き締まった印象でも、グラスの中で徐々に温度が上がるにつれて表情が変化していくのも楽しみの一つです。


2. 欧州での楽しみ方・文化

欧州での楽しみ方・文化 欧州での楽しみ方・文化

赤ワインを少し冷やして楽しむスタイルは、実は以前から親しまれてきました。例えばブルゴーニュのワイナリーを訪れると、地下カーヴで保管されていた赤ワインがそのまま提供されることも少なくありません。
地下セラーの温度は12〜15℃程度(あるいはそれ以下)。
つまり生産者自身が、やや冷えた状態で味わうことを前提としている場合も多いのです。

また欧州では、軽やかなスタイルの赤ワインを夏場に冷やして楽しむ習慣もあります。
近年は世界的な気温上昇や白ワイン・ロゼワイン人気の高まりを背景に、「Chill Red(チル・レッド)」という提案も広がっています。

ワイナリーや流通業者の中には、「冷やして飲む赤ワイン」を積極的に提案するブランドも増えており、赤ワインの新たな楽しみ方として注目されています。


3. おすすめの品種・スタイル

おすすめの品種・スタイル

冷やして楽しむ赤ワインとしては、ブルゴーニュ地方などで造られるピノ・ノワールやガメイなど、渋みがおだやかで軽やかなタイプがおすすめです。
少し冷やすことで、赤いベリーを思わせる香りやさわやかな酸が、より鮮やかに感じられます。

先日パリのビストロでグラスの赤ワインを注文したところ、提供されたのはよく冷えたロワール地方のガメイでした。軽やかな果実感とさわやかな酸が心地よく、夏らしい冷製ガスパチョとも見事に調和していました。
現地ではこうした楽しみ方が、日常の食卓に自然に根付いています。

一方で、ボルドー地方のカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、ローヌ地方のシラーのような比較的しっかりしたタイプの赤ワインも意外によく合います。
私は前日に飲み残したワインを冷蔵庫で保管し、翌日に楽しむことがよくありますが、酸素との接触で味わいがなじみ、冷たさとまろやかさが心地よく感じられます。


4. 適温と味わいの変化

適温と味わいの変化

赤ワインを冷やす場合、温度などを細かく気にする必要はありません。
目安は12℃程度ですが、「何時間冷やせば正解」というものではないので、飲むシーンや好みに合わせて色々試してみるのもおすすめです。
私は飲む1時間ほど前に冷蔵庫へ入れることもあれば、チル&レッドとして楽しむときは前日から冷蔵庫で冷やしておくこともあります。
また、冷たい状態では酸や果実感がより前面に出やすく、温度が上がるにつれて香りや複雑さが広がっていきます。グラスの中で少しずつ変化する味わいを楽しめるのも、チル・レッドならではの魅力です。


5. おすすめのペアリング・シーン

おすすめのペアリング・シーン

冷やした赤ワインは、意外なほど夏のアウトドアにもよく合います。
私はよく、休日のピクニックや屋外での食事にブルゴーニュの赤ワインを持って行きます。
白やロゼワインほどしっかり冷えていなくても、少しひんやりしているくらいで十分においしく楽しめます。

また最近のマイブームは、自宅のベランダで冷えた赤ワインを一杯楽しむことです。
暑さが少し和らぐ夕方、風を感じながら飲むチル・レッドは、白ワインやビールとはまた違った心地よさがあります。
バーベキューや肉料理との相性も良く、海辺や山、公園など場所を選びません。

暑い日に、「白ワインがない」「今日は肉料理を食べたい」と思ったら、赤ワインを冷蔵庫に入れておく。それくらい気軽な発想で良いと思います。


夏になると赤ワインには少し手が伸びにくくなるかもしれません。
でも、少し冷やしてみるだけで、また違った表情を見せてくれます。
次の週末、気になった赤ワインを冷蔵庫に入れてみてください。

グラスの中でゆっくり表情を変えていく一杯が、夏のひとときをもっと楽しくしてくれるかもしれません。

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