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どちらもその地の風土から生まれ、高いポテンシャルを持つテロワールのカタマリのような日本ワインと国産ジビエ。そのペアリングは常識に縛られない、豊かな可能性を持っています。藤木氏が腕をふるったジビエ料理をいただきながら、合わせる日本ワインを考える安蔵氏との会話でお伝えしていきます。
イノシシは、春先に熊本県天草で獲れたものを使用しています。藤木氏の説明によると、イノシシは冬に備えて秋から脂がのるのが普通ですが、天草のイノシシでは気候が良いために、年間を通して脂がのっているのだそうです。メスは年に2回出産することもあり、そのために脂をつけて体力を養っているのだという意見もあるのだとか。
「家畜の仔豚というのは普通には流通していません。その点イノシシは仔イノシシなど小さなサイズの個体を手に入れることができるので、今回のようなちょうどよいサイズの骨付きロースを取ることができます」(藤木氏)
この骨付き肉をロースト。コショウは一切振りません。コショウはもともと臭みを消すために使用するものであり、肉の味を楽しむうえではコショウは香りが立ちすぎてかえって邪魔になると藤木氏。塩だけわずかに振って丁寧にフライパンで焼き、仕上げに炭火にかざして、わずかに炭の香りをつけています。
ソースには、藤木氏が得意とする「フォン・ド・ジビエ」を使用。鹿、イノシシ、野鳥などさまざまなジビエの骨を赤ワインで煮て作るフォンで、こちらも塩や香辛料は入れていません。ジビエの濃厚な味わいと旨味が前面に出ており、これにジロール茸で香りを付けてソースに仕上げています。付け合せには、イノシシを焼いたときに出る脂で炒め、ソースを絡めたヒラタケ、マッシュルーム。
ここにどのワインを合わせたら良いのでしょうか。事前の想定では「椀子メルロー 2019」と「笛吹甲州グリ・ド・グリ 2022」でした。
イノシシを一口食べた安蔵氏は「やはり脂が美味しい」と一言。イノシシの脂は28~30度と融点が低いのが特徴です(牛脂は40~50度)。脂なのにサクサクとした歯ごたえがあり、くどさもありません。普段からジビエの肉にはソースは掛けずに提供すると藤木氏に聞いた安蔵氏は、ソースを付けずに肉だけで、その後、ソースを付けて食べるのを試してみました。
「ソースを付けずに食べると、本当にシンプルに肉の旨味を感じることができますね。これはグリ・ド・グリで食べても悪くない。肉そのものを味わうなら、グリ・ド・グリでもいい。だけど、ソースを付けると料理のほうが強いですね。そうなるとやはり椀子メルローがいい。ソースに塩が入っていないというのが驚きですね。旨味だけで深く強い味が出ていて、これが椀子メルローの味とよく合っています」
質の良いイノシシは「焼き鳥のように串焼き食べても良い」と藤木氏。「その食べ方でも、ワインとうまく合わせられるのでは」と安蔵氏とひとしきり盛り上がりました。
ドライフルーツを思わせる香りと果実の凝縮感、力強いタンニンを併せ持った、ボディバランスの良いワイン。椀子ヴィンヤードのメルロー100%使用。色は濃いルビーレッド。ブラックベリー、カシス、木イチゴといったさまざまな果実の豊かな香りに、コンポートのようなニュアンス、森の下草やタバコなどの香りが奥行きを与えています。口中では豊かな酸と、力強いがきめの細かいタンニンが感じられます。アフターには樽由来のヴァニラやチョコレートの香りが豊かなタンニンと調和します。

シャトー・メルシャン 椀子メルロー 2019


